マンセルは、色を表示するシステムのひとつ。
何か小難しそうに聞こえますが、しくみが理解できると
案外、理解しやすいシステムです。
このブログでは、初学者にも分かりやすく、マンセルカラーシステムのポイントを解説。色相環を簡単に覚えるコツも紹介しています。
マンセル表色系とは何か?
マンセル表色系(マンセルカラーシステム)は、
アメリカの美術教育家であり画家でもあった
アルバートマンセルが発明した色のシステムのことです。
世界レベルで使用されている、最もポピュラーなカラーシステムで、JISをはじめ、工業、デザイン界で広く使われています。
色彩検定対策をはじめ、色を扱う仕事では必須の知識なので、理解しておきたいシステムです。
<ちょこっとメモ>
現在の「マンセル表色系」は、マンセルが発明した当時のシステムに、アメリカの光学会が修正を加えたもの。正式名は「修正マンセル表色系」ですが、単に「マンセル表色系」として使われています。
マンセル表色系の色の表し方
マンセルは、色を色相、明度、彩度、の3属性で表現します。
具体的には色相 明度/彩度の順番で並べ、明度と彩度の間にはスラッシュを入れます。
<マンセルの色表示例>
4R4.5/14
これは、
色相:4R(赤) 明度:4.5 彩度:14
の色であることを表しています。
この色は彩度がとても高い赤色。明るさは、明るくもなく暗くもない中間の色。
pccsではv2の色です。
ちなみに、英語で色相はHue(ヒュー)、明度はValue(バリュー)、彩度はChroma(クロマ)といいます。
そのため、これの頭文字をとってH V/Cシステムと言われることもあります。
マンセルの色相環の覚え方
マンセルの色相を表すのが色相環です。
マンセルの色相環は100色相まで表現できますが、基本はこちらの20色相の色相環です。
<コツ1>
マンセルの色相環は、「内側の円の中にある10色相」と「外側の円の中にある20色相」の色相環を分けて、2段階で分けると覚えやすいです。
1 色相環の覚え方(10色相)
では内側10色相の覚え方を紹介。
ポイントは紙に書いて覚えること。
色彩検定の試験では、色相環が完全に頭に入っていないと回答できない問題が出題されます。
そのため、試験開始時に自分で色相環を書き出しておくと、余計な脳のリソースも使わず、回答の正確性も期待できるので有利です。すぐに色相環を書き出すためにも、ぜひ手で書きながら覚えてください。
【覚え方の手順】
①紙に円を書きそれを10分割する。
②マンセルの基本5色を配置します
基本5色とは、
R(赤色)、Y(黄色)、G(緑色)、B(青色)、P(紫色) のこと。
あーる、わい、じー、びー、ぴー
と何度も呪文の様に唱えて覚えてください(笑)
それを1つ空けて配置します。
③空白の場所に中間の色を配置します
R(赤色)とY(黄色)の間にはYR(黄赤)
Y(黄色)とG(緑色)の間にはGY(黄緑)
中間の色は、
色相環で「後ろの色が前にきます」
中間の色は後ろ前反対と覚えてください。
④中間の色をすべて配置すると
10色相の色相環の完成です。
色彩検定の2級試験では、
この10色相の色相環 を手書きできるまで暗記しましょう。
<コツ2>
マンセル色相環に関する試験問題は、
1)色がどんな順番で並んでいるか?
2)どの色とどの色が対角にあるか?(反対色か?)が理解できないと解けない問題が多いです。
そのためにも、色相環はこのままマルッと暗記する必要があります。
繰り返しになりますが、暗記しておいて、試験が始まったらすぐに書き出すのがおすすめです。
2 色相環の覚え方(20色相)
20色の色相環(外側の円)を覚えるためには、まず20色の意味を理解するのが先決です。
この20色は、10色相のそれぞれの色から主要な2色を抽出したものです。10色相×2色で20色相となります。
①ひとつの色相を10分割して考える
マンセルは一つの色相を10分割して考えます。
分かりやすく言うと、1つの色に10のメモリがついていると考えると理解しやすいです。
「5」の色
最もその色らしい色です。
数字が5から離れると、その色らしさが段階的に薄れます。数字が、
1に近づく程、手前の色に近い色になり
10に近づく程、後ろの色に近い色になります
<Y(黄色)の場合>
5Y→代表色
1Y→手前のYR(10YR)に近い色、
10Y→後ろのGY(1GY) に近い色
②各色相の5、10の色を配置
5のつく代表色と、10のつく色の2色を抽出
これを10色相すべてで行う
③20色相を配置すると
マンセル色相環の完成です!
見た目はとっつきにくいですが、
分解して成り立ちを理解すると意外に簡単です。
暗記が大変なのは最初の基本5色。
とにかく
あーる、わい、じー、びー、ぴー
と、唱えながらおぼえてくださいね。
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